前回(No.118)の「老祥記」の豚まんを土産に抱え、ランチを食べようと、ブラブラと三宮駅へ引き返す。三宮センタープラザの地下がバリエーション豊富な飲食店が軒を連ねていると聞いていたので、そちらへ。そこそこに有名なお好み焼き屋へ入店したのだが、どうしようもなく何だかなという店だったため(味も若い従業員も)、少し不快な気分で地上のセンター街へ上がる。この気持の入れ替えをと、お茶でも飲んで、まずは落ち着つこうと喫茶店を探す。目の前に、さすがにジジイでも聞いたことがある「Morozof」という横文字が現れる。以前神戸の知り合いに、神戸の台所には必ず、モロゾフのプリンの空きガラス瓶カップが置いてあると聞いて、せいぜいキリンレモンの空きビンしかなかった東京のどん詰まりの足立区で育った者には、その食文化の違いと、そのような差異が民度の高低差を生むのだろうなどと要らぬことを考えたものである。そして、最近神戸に住む畏友Kに、それを問いただすと、「そういえばしょっちゅう食べていたような」と、さも当然のような返答。やっぱり、これは事実だったのだなと、改めて神戸という土地のハイカラ(死語かな)さに委縮せざるおえない東京もんがいるのであった。



こういう港町のハイカラな土地柄なので、神戸には、お菓子屋、パン屋、喫茶店が大変多いのも頷けるのである。密度的には全国でも上位、いやNo,1なのではないかと思われるほど目にするのである。東国、特に東京は、チェーン店の簡易合理喫茶が隆盛を極め、大正・昭和の純喫茶系の店は消滅傾向にあると同時に当然喫茶文化など風前の灯火状態なのである。しかし、どっこい西国(特に京都・大阪・兵庫)には、まだまだ根強く安定的に営業している喫茶店が多く嬉しい限りである。そして、ジジイの目の前にモロゾフが現れたということは、何か結縁なのだろうと思い、ちと値段が張るがモロゾフのカフェで、プリンでも食べて、先ほどの不快感を癒そうと入店。前には様々なモロゾフのお菓子がディスプレイされ、奥がカフェになっている。さすがに重厚で高級感があり、こういう場所を避ける傾向にある私には威圧感さへあるが、もう若くないのだから貧乏臭い旅からもオサラバと、勝手な理屈を付けてソファーに腰を落ち着けたのであった。水とメニューが運ばれ、水に口を付ける、気のせいか何だが水も美味しく感じられる(気のせいではない神戸の水は美味しいのである)。注文したのは、プリンだけでは寂しいので、表の看板に出ていたアーモンドワッフルプレート。見た目豪華で、プリンも当然付いている。この投稿は茶色の食べ物ばかりで、女性(にょしょう)の好む甘味やスイートが出てこないという批判を受けたことがあったが、ほんとうは、私、甘い物も大好物で、糖尿になってからは、猶更、食べたくてしょうがないのだが、血糖値の関係で極力控えているのである。しかし、最近、糖尿薬の進化が著しく、昔よりセーブしなくてよくなりつつあるので、本日も含めて、今後十郎のソウル甘味の旅も期待していただければ幸いなのである。
また、どうでもよいこと語ってしまったが、10分ほど待って、プレートの上に、美しくレイアウトされた菓子が目の前に現れる。砂糖粉と野イチゴに装飾され、バターが添えてあるワッフルと蜜、アーモンドアイス、そしてプリンが並ぶ。ドリンクは紅茶を頼む。
さて実食。
全てが言うまでもなく嫌味のない洗練された結構なお味。ここで一番の感想を言わなければならないのがプリンだが、さすが老舗伝統の味をしっかりと守っているといった奇を衒うことのないTHEカスタードプリンという代物。まあ、5つぐらいは平気で食べられそう。正直言って、普段プリンを余り求めて食べる人間ではないので、他との違いとかは分からないが、自信たっぷりという風情は醸し出しているのである。



このモロゾフ、今や全国区の知名度を誇り、甘党でない男性以外はともかく、名前は知らない人はいないだろうというお菓子屋さんだが、私もだが、神戸が本拠だとは知らなかった。この神戸の土地は他にもバームクーヘンの「ユーハム」、ゴーフルの「神戸風月堂」、パイやクローネの「ケーニヒスクローネ」、高級チョコレートの「ゴンチャロフ」、エコルセの「本高砂屋」など錚々たる菓子メーカーが輩出されているのである。同じ港町で比べられる横浜はハーバーの「ありあけ」と宝製菓しかないというテイタラク、どうしちゃったのよ、横浜なのである


モロゾフは、昭和6(1931)年神戸のチョコレートショップからスタートして、現在の全国区のお菓子メーカーとして成長したという。因みに、現在の2月14日のバレンタインデー(女性が男性にチョコレート贈る)を考えたのもモロゾフだそうで、こりゃドエライことなのである。私、知りませんでした。やはり、たまには、このような高級店にも入ってみるものだと大満足をしたのはよいのだが、肝心のプリンカップ瓶のことを忘れてしまっていたのだが、お店のディスプレイにプリンやゼリーが並んでいるのを発見。これこれと、瓶に入った定番プリンと抹茶プリンを当然お土産に買ったのである。店を出るときに、この本店の象徴、チョコレートの滝を眺めながら、他の神戸ブランドも巡らなければと思いながらも、気持ちは明日の有馬温泉(ここも温泉ブランドだな)へ向かっているのだった。
しかし、神戸市民よ、モロゾフのプリンがソウルフードなどと、少し見栄張っているんじゃないの…。
モロゾフ 神戸本店(MOROZOFF)
ジャンル カフェ、洋菓子
お問い合わせ
078-391-8718
予約不可
住所
兵庫県神戸市中央区三宮町1-8-1 さんプラザ 1F
交通手段
阪急神戸線阪急三宮駅西口より徒歩5分
阪神本線阪神三宮駅より徒歩5分
東海道本線三ノ宮駅より徒歩5分
神戸三宮駅(阪急)から145m
営業時間
11:00 – 20:00 L.O. 19:30
定休日 1/1,1/2 毎月第3火曜日(1月を除く)
支払い方法
カード可(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)
電子マネー不可
QRコード決済可
席・設備
44席 個室 無
全席禁煙
駐車場無し
サン・センタープラザ4階・5階に駐車場(※提携はしていない)