No.106  福岡県糟屋郡の久原本家 茅乃舎の「冷や汁のだしとたれ」は一度食べる価値ありの超洗練の「冷や汁」のたれ。宮崎県もこれにはかなわないだろう、残念(十郎の一押し食品編)。

  久しぶりに、こりゃ結構な塩梅であるという品に出会ったのであった。東国の人間は、「冷や汁」などというものは食すことはなかったのである(水かけご飯No.96や味噌汁をかけた、ただのぶっかけめしはあるが…)。しかし、現在は、全国のどんな食品も、どこでも食べられる時代、この日本の流通パーワーには驚くばかりで、この「冷や汁」も頻繁ではないが馴染みのものになりつつあるのではないだろうか。そういうオジサンも数年前から夏場になると、偶にだが食するようになった。皆さんご存じのように「冷や汁」は出汁と味噌汁で味付けした冷たい汁料理のことで、その汁をご飯などにかけて食べる、まさに冷たいぶっかけめし。似たようなものは各地にあるらしく、中身の内容が少し変わるくらいらしい。特に宮崎県の郷土料理として有名だが、私も、最初は新宿にあった宮崎県のアンテナショップで食べたのではないかと記憶している。魚(鯵や鰹)から出汁をとっているのが多いので漁師メシかと思いきや、農民食であり、武士の陣中食(戦国時代など、戦場で兵士が携行し食べる糧食のこと)だったたらしい。

 昔は、臭みが強く、癖のある汁だったのではと想像するが、今はどこで食べても、そんなことはなく、上手く調理されているものが多い。その中でも、最近、私が食べた福岡県の久本本家 茅乃舎の「冷や汁のだしとたれ」は、現在食べた、冷や汁のたれでもベスト1にあげられるものである。何が良いのか、冷や汁の独特な味を残しながらも非常に洗練された上品さが他の冷や汁とは一線を画すのである。変な例えだが、上野のデリーのカレーの洗練さと似た物を感じたのである。私は、洗練さとは、臭味と独特の癖をなくすことだと思うが、それでは、ただのツマラナイ平均化にすぎなくなるのである。一流の洗練は決して平均化ではなく、個性際立つ洗練さをもっているものである。これはなかなか獲得することはできない。故に、食べ物で言えば、やはりそれを獲得したものだけが長く持続できるのだろうと思うのである。茅乃舎の「冷や汁のだしとたれ」は、それを獲得できたのである。御託を並べたが、とにかく、取り寄せて食べて見て下さい。「冷や汁」の好きな方は、必ず私の言葉の意味が分かっていただけると思うのである。あなたもきっとリピーターになることでしょう。

 久原本家 茅乃舎は創業明治36年の福岡県糟屋郡だしの店であり、高島屋、大丸などにショップを構えているので、ご存じの方も多いと思うが、この「冷や汁のだしとたれ」は、最近にないオジサンの一押し商品なのである。お試しあれ。


「冷や汁のだしとたれ」公式サイト

茅乃舎総本店
久原本家 総本店

住所
〒811-2501
福岡県糟屋郡久山町大字久原2527

TEL
092-976-3408(直通)
カーナビ電話番号検索用 092-976-0001

営業時間
10:00~18:00
※2025年3月12日は店休日となります。
定休日
元日