No.99 兵庫県神戸市兵庫区新開地グルメタウン「よつばや」のピロシキと東山商店街「鼻知場商店」の冷やしあめは、何と表現してよいのやら、でも何だか良いのである(神戸はいつも雨だった編②)

 さて、「グリル一平」(前回No.98)を出て、オジサンは当てもなくぶらぶらと新開地周辺を徘徊。この辺は新開地の商店街以外にも、いくつかあるらしいので、冷やかしてみるかと、まずは、みなとがわ商店街へ。それよりもアーケードなので本日のような悪天候の逃避先としては最高なのである。どこの地方も郊外型の箱型大資本マーケットに客を奪われ、閑古鳥、いや凍り付いている商店街のところが多いが、オオー、ここはまだまだ活況を呈している、イイね。箱型はどいつもこいつも全国金魚の糞状態でツマラナイが、地面横型商店街はそれぞれが商店街の特徴的な顔を持っていて飽きがこないのである。八百屋も、肉屋も団子屋も人間臭い<気>を発していて、つい覗いてしまう。そして辿り着いたのが、神戸の台所と謳われている東山商店街。

ここは半端ない、東京の砂町銀座商店街より、また数倍魅力を増した、見かけたことのないような凄まじいマーケット(市場)である。大阪の天満橋商店街も驚いたが、ここもまた関東にない関西商いパワーを感じさせてくれる場である。店先に並ぶ商品も、これ大丈夫?という恐ろし気なものが並んでいる時もあるが(特に凄いセンスの洋服が下がっている)、それはそれ御愛嬌なのである。飛び交う関西弁も、三宮では聞けないような地方(じかた)風で、旅に出ているという風情感が増してくる。スマフォで商店街のことを調べてみると、サキイカの「おかやん」というのが有名で、出来立て熱々サキイカを提供する専門店で常に客が列をなしているとのこと、これは手に入れなければと、店の探索を始めるが、新参者にはここは迷宮状態、どこにも見当たらず、諦めかけたその時、店を発見。喜んだのも束の間、がび~ん休みでやんす。

 縁がなかったと諦め、すぐに立ち直り、次の名物「冷やしあめ」を探しに、また徘徊するのであった。幸いにすぐにお店発見。幼き頃にあった東京下町の路地裏にあったキャンデー屋のような店構え、そこにお祭りの屋台によくあるシロップ水を売っているという感じ、この令和の時代、おいそれとはお目に掛かれないものを見てしまったような、そして「冷やしあめ」は50円という、ここは戦後の闇市かという値段。メーニューはこれとレモン水だけ、その他に手巻き、いなり寿司という潔さ。ここはボランティアの休憩所かと、商いの不思議さを感じながらも、両方を注文。小さなコップにべっ甲飴を溶かしたような液体が注がれる。失礼だが、恐々(おそるおそる)口に入れる。オーッとひっくり返るような甘さで、糖尿オジサンには、命が10年ぐらい縮まりそうな味。レモン水は少しは甘さ控えめなのではと思いきや、舐めんなよと、こちらもメチャメチャ甘い。戦後甘い物に飢えていた日本人は、何でも甘くなければダメという時代があったらしい。これが謂わば現在の糖尿病1,000万人時代到来の元凶なのだが、こんな時代になっても、頑固にこの味を通しているのは偉いのである。しかし、少し口をつけただけでオジサンは店を去ったのであった。それよりも戦後79年、まだまだ、このようなものが売られていることにオジサンは感動したのであった。「鼻知場商店」の隣には安い立ち食いの串揚げ屋やお好み焼き屋があり、そそられるが、ここは我慢して商店街を出たのであった。現在見ている景色も、この年齢だと一期一会になるのであろうなと、少しセンチ(感傷的)になりながら、亀歩きで新開地方面に戻ったのであった。


 さて、新開地では、愛され続けて55年のピロシキを食べる予定なので、店がある地下の新開地グルメタウン(メトロ神戸運営)に足を向ける。駅に直結した商店街で、飲食店やコンビニ、雑貨屋、靴屋、眼鏡屋、整骨院等が軒を並べ、卓球場という変わり種もある。お目当ての「よつばや」はすぐ見つかる。ピロシキの他に串カツや明石焼き、おでんもあり、さながら、ちょっとしたフードコートのよう。店の前には横長に商品が並び、お土産に買って帰る人が多いのだろう(こちらが主かな)。しかし、右手にいくつかテーブル席があって食事も可能だ。時間的にオヤツの時間なので、ちょうどいいやと右奥のテーブルに座る。お酒もあって、通し営業らしいので、昼飲みにもピッタリではないか。早速瓶ビールを注文。そして、様々な種類(写真参照)があるが、ここはスタンダードなロシアを。これだけでは寂しいと、明石焼きと串揚げ(うずら、えび、紅しょうが)まで注文。それよりもピロシキなど食するのは何十年ぶりだろうか、ロシア料理店以外で食べられ、売っているところがあるのだろうか。東京ではオジサン知りません。

 ビールで喉を潤しながら待つこと10分(作り置きではなくその場で揚げてくれる)、堂々の色艶で登場。まずは中身を確認、何となく見覚えのある具を口に入れる。味も何となく記憶がある。しかし、不味くはないが、だからどうしたという味。まあ、これはしょうがない、似たようなもので、もっと美味しいドーナツが今やたくさん売られているのだから。次に明石焼きと串揚げが登場。オジサン、明石焼きはアッサリしすぎていて、それほど好きではないが、ここはソースを塗って食べてるという味変あり(イイね3つである)、串揚げもさすが本場で結構な塩梅。酒が進みレモンハイを注文。しかし、何でピロシキなのかは分からず、ただ、チャイコフスキーのワルツを聴かせながら発酵させた粉生地を使っているらしい? それって科学的根拠があるのかなどと聞くのは野暮というもの。ロシア的精神の味が一層醸し出されるのである(ホンマか)。大満足で、ほどよく赤ら顔で店を出たのであった。もういちど、淀川長治先生(映画評論家・この地出身)モニュメントのチャップリンゲートと映画館と劇場を眺めて、雨の中歩いて三宮の宿に帰ってのであった。
 しかし、雨は止む気配はないのである。

鼻知場商店
ジャンル           カフェ

お問い合わせ   078-531-1823
予約不可

住所   
兵庫県神戸市兵庫区東山町1-11-8

交通手段          
神戸市営地下鉄・湊川公園駅、神戸電鉄・湊川駅から北側へ徒歩約5分

湊川駅から499m

営業時間          
月・火・水・木・金・土・日・祝日
08:00 – 18:00

定休日
不定休

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

よつばや
ジャンル              食堂、明石焼き、パン

お問い合わせ      
078-575-3559
予約不可

住所      
兵庫県神戸市兵庫区新開地2-3 メトロこうべ新開地タウン

山陽電鉄神戸高速線・新開地駅より徒歩2分程度

メトロ神戸新開地タウン30番

新開地駅から80m

営業時間             
月・水・木・金・土・日
11:00 – 18:30

定休日 火曜日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

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