No.34 東京都杉並区荻窪の伝説の(白)「丸福」のラーメン(これがオジサンのソウルフルラーメンです)

 前回(No.33)の「竹の家」を出て、八王子駅から新宿駅までの上り電車に乗りながら、途中、荻窪駅を過ぎると、『失われた時を求めて』ではないが急にオジサンの頭に中央沿線で過ごした日々が甦り、その中でも、さっき八王子のラーメンを食べたからではないだろうが、特に荻窪でのラーメン探訪の日々が懐かしく思い出されてくるのであった。
 私事で恐縮だが(今まで私事しか話してないような気もするが)、学校を卒業して、何年かは、中央線沿線を転々としていて(東小金井、東中野、阿佐ヶ谷)、東京でも一番の純朴な知性と気高き倫理性を持っていると思い込んでいる人間たちが集う(優等生が多くいるということだけなのだが)この沿線の空気に触れながら、色々学ばせていただいたのだが(一番は優等生も大したことはないのだなということ)、情けないが私の中央線での一番感動はラーメンの専門店なるものがあるのだなということだった。現在では町中華よりもラーメン専門店が断然に多いので珍しくも何ともないが、私の20代ぐらいの時には専門店の数はかなり少なかったのではないかと思う。特に東京の東地区下町などにはほとんどラーメン専門店なるものはなかったように思う。
 そんな私が、はじめて荻窪のラーメン専門店に入り、これは「中華そば」でなく「東京ラーメン」なのだなと、いたく妙な感動をしたものだった。
 その後、荻窪ラーメンブームなどが来て、九州豚骨が襲来し、各地方ラーメンが後を追うように来京。ご存じのように現在では糞味噌一緒(失礼)、何だか訳が分からないカオス状態になっている。その頃、荻窪のラーメン中で、私にとって特に(白)「丸福」のラーメンが一番のお気に入りで、いまだに人生の中で、不動のベストワン1の位置を獲得している(もう現在形でないからかもしれないが)。私のソウルフルラーメンといえばこのラーメンなのである。どんなラーメンかは、もう幻になってしまったので省くが、私よりひと世代前ぐらいまでの荻窪駅沿線近くの住民で知らない人はいないだろうと言えるほどの有名なラーメン店だったのである(西東京のラーメン好きにはと言ったほうがよいかもしれない)。
 そこで、以前、雑誌に投稿した(白)「丸福」の記事があったのでそれをご紹介して、この稿を閉めたいと思う。この記事で私の(白)「丸福」へのソウルフルな愛情を感じていただければ幸いである。

 40代以上の方は憶えてらっしゃると思うが、かつて荻窪ラーメンブームというのがあった。まだ九州ラーメンが東京上陸以前だった。下町で育った筆者もその時はじめて、ラーメン専門店なるものがあることを知ったのではないだろうか。
 春木屋、(白)丸福、丸信、漢珍亭、丸長、佐久信(「突然バカうま」という糸井重里のキャッチコピーで、その当時では珍しいテレビ番組「愛川欽也の探検レストラン」<テレビ朝日系>とタイアップで生まれ変わった店)荻窪周辺にひしめきあい、東京周辺のラーメンシーンを完全に塗り替えた出来事だった。その中でも春木屋と(白)丸福が断然のトップ人気であり、筆者は丸福派だった。丸福といっても断然(白)丸福(看板が白―次男経営)のほうで、本家筋の(黄)丸福(看板が黄色-長男経営)には5回ほど行った程度か。ここは台湾系中華そば(大井町「No.1永楽」や渋谷「喜楽」と同系でモヤシとチャーシューが入るのだが、ネギ湯がないので少し違うような)で人気はその中に「煮卵」を入れ、またその煮汁が少し浮かぶところが、決め手だった(玉子そば)。筆者はそれにワンタンを入れ食していた。姉弟が切り盛りしていて(顔がそっくりだからたぶんそうだろう)、愛想一つなかったが、その弟さんのラーメンに向かい合う姿勢に感心した覚えがある。そのためラーメンが活き活きしていた(なぜか旨いのだが<黄>丸福にはこの<活き活き>がないように感じたのは筆者だけだろうか)。
 ところが、この(白)丸福がそのころ1億円を脱税したと問題になり、その後、家賃の未払いで追い出され2005年に閉店、その後武蔵野市緑町に移転して再興したが、結局2008年に閉店してしまった。ラーメン作りの天稟の才人には、何かの浪費癖でもあったのだろうか?(天才によくあること)。その当時、もうあのラーメンが食べられないのかと残念だった。<略>あの弟さんは今どうしているのだろう。もう一度弟さんのラーメンが食べたいものである。

 今は食べることが出来ないが、永遠に私のいや食した人すべての記憶に残る、プラトンのイデア<魂>のようなラーメンと言ったら言い過ぎか。この地域には、現在住んではいないが、これが私のソウルフードと言わず、何がソウルフルと言えるのか(お粗末さまでした)。

 (黄)丸福も旨いですので、現在もしっかりと営業中の「丸福」荻窪、西荻窪の情報を掲載いたします。

丸福 荻窪店
住所:東京都杉並区上荻1-6-1
交通手段:荻窪駅から137m
電話:03-3391-6003
営業時間:11:00~15:00 17:00~22:00
日曜営業
定休日:火曜日

丸福 西荻店
住所:東京都杉並区西荻南3-25-7
交通手段:JR中央線【西荻窪駅】徒歩1分西荻窪駅から22m
電話:03-3331-3270
営業時間:11:30~23:00(L.O.22:30)
定休日:日曜日   

Visited 3 times, 1 visit(s) today

「No.34 東京都杉並区荻窪の伝説の(白)「丸福」のラーメン(これがオジサンのソウルフルラーメンです)」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA