No.20 愛知県碧南市の即席めん「キリマルラーメン」の皮肉

 50歳代以上の方は、即席めんの歴史と共に生きているので、その競争の凄まじさをご存じなので、生き残って現在在る商品に対して、無意識ながらもリスペクト感を持っているのではないかと思う。今回ご紹介する「キリマルラーメン」(キリンラーメンを改称)もその一つだが、東京に住む私が食べたのは今回で2回目のような(しかし、1回目はどこで、いつごろ、なぜ食べたのかという記憶がない、それが食べたことになるのかな)。存在さへも、そう言えばそんなのあったかな(TVなどで紹介されたことがあったかな)状態だった。当たり前である。東三河、知多半島を中心に愛知県内でのシェアがほとんどなのである。故に私は知らなかったが、愛知県では知らない人がいないほどのポピュラーな即席めんだそうだ。半分知多半島の血が流れている私は、これは食べておかねばと、秋葉原の「ちゃばら」(全国特産品ショップ)に仕入れにいったが、ちゃんと愛知県コーナーにオリエンタルカレー(後に紹介)と隣り合って置いてあった。「No.18スパゲッティ式めん」と肩を並べるほど昭和レトロ感の包装紙デザインの大雑把さに業務用かと見間違えるほどのインパクト(皮肉)。帰って食すのが楽しみなってきた。


 この「キリマルラーメン」は公式サイトよると愛知県碧南市にある創業明治40(1907)年の小笠原製粉から、昭和40(1965)年に発売された。平成10(1998)年大手の即席麺に押され一時発売中止になったが、地元の方々の要望により平成15(2003)年復活。平成22(2010)年には全国展開したが、今度は「キリン」の商標権を持つ大手の「キリンビール」から、商標を使用してはいけないという訴訟を起こされ、皮肉にもズ~と続けていたならば問題はなかったのだが、一時の中断が引っかかり、改名せざるおえなくなってしまった。そこで誕生したのが「キリマルラーメン」である。
 早速、湯を沸かし、めんを取り出すと、ちゃんとした油であげた即席めん(これでなくちゃ)。2、3分ほどで、かわいいキリンちゃんの絵が描いてある袋の粉末スープを混ぜ、できあがったのは見た目よくある即席メン。しょうゆ味らしいが、なんとんなく塩味に近いあっさり感で、パッケージデザインのような強烈なインパクトはなく、癖もないので、これは一度食しただけでは何とも言えない味。ただ塩っ気が強いなと感じた。味噌味も食べたが、これもう少し、味噌を強調してもよいのではと思ってしまった。これは、私の分析だが化調ではないということだと思う。現在、無化調であることが金科玉条のように謳われているが、イオンに吸収された「東秀チェーン」の味(昔は旨かった)、牛丼定食の松屋の味(特に味噌汁)等、化調添加物一切不要の店が、ことごとく<屁(へ)>ような抜けた味になるか、ただ塩っ気が強いだけの味になるはどうなのかなと常日頃考えているのである。私が即席めんで一番よく食べるのは「サッポロ一番」だが、「キリマルラーメン」と比べてみると、化調有無の違いがこんなに明確になるのかと今回勉強になった。「キリマルラーメン」の全国販売躓きもひょっとすると、意外にもこれも皮肉だが、化調問題なのかもと推測するのだが如何であろうか。これは、化調の問題とは違うのだが、後の章で紹介する「うまかっちゃん」の全国制覇失敗にも少し似ている問題である。しかし、またまた皮肉だが、だからこそ現在でも生き残り、地域周辺住民にリスペクトされるソウルフードになりえたのである。何も全国的にポピュラーに生きることだけが良いのではないという証明のような商品である。頑張れ「キリンラーメン」いや違った「キリマルラーメン」(「キリンビール」、しかし、お前は度量が狭いな)よ、キリンの首のようにこれからも地域住民の日常食として末永くあれ。

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ちゃばら 日本百貨店食品館
住所:東京都千代田区神田練塀町8-2 CHABARA(ちゃばら)内
営業時間:11:00~20:00
電話:03-3258-0051

小笠原製粉株式会社
本社および工場住所
住所:愛知県碧南市汐田町3丁目33番地
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日曜日
電話:0566-41-0480(代)
FAX:0566-42-6969
公式HP:https://kirimaru.jp/

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