竹岡式ラーメンは、千葉三大(勝浦タンタンメン、アリランラーメン)ご当地ラーメンの一つとして有名であるが、オジサン以前からこの竹岡式が気になってしょうがなかったのである。ダシも取らず、醤油とチャーシューの煮汁、そして麵は乾麵という潔さは、オジサンの琴線に触れ、いつかは食したいと思っていたのである。それも元祖といわれる竹岡式の「梅乃家」さんのをである。だが機会に恵まれず(何せ遠い)、時は過ぎてしまったのであった。ところが、その機会がとうとう訪れたのであった。そんな大仰なことではないのだが、夜どうも寝付かれず、頭は冴えてしまい、スマフォを覗くとGoogleのニュースに竹岡式の元祖「梅乃家」の記事が掲載されていた。それを読むと、じわじわと食べてみたいなという欲望が渦巻いてきて、オジサンとうとう立ち上がったのであった。時計は朝の6時半。思い立ったが吉日、内房線の竹岡駅へ向かうべく自宅を出たのである(馬鹿である)。東京駅から総武で君津まで、そして館山行きに乗り換え約2時間の電車旅である。「梅乃家」の開店時間10時なので、7時30分頃の電車に乗ればベストなのではと見積る。富津までただラーメンを食らうためだけに向かうのである。こういった急進的な馬鹿な決断をしなければ、絶対に気持ちが萎えて動けなくなるであるから、これでイイノダなどと都合よく考えながら、車窓から千葉の風景を眺めるのであった。以前、そういえば弁当を買う目的だけで木更津に行ったことがあったなと(No.65)、それよりはまだましか(どっちもどっちだよ)と自分を慰めるオジサンであった。電車の中で一つ手前の上総湊駅が近いらしいので、そこで下車することにし、付近のマップに目を凝らす。駅から「梅乃屋」まで1,400キロメートル、歩けない距離ではないが、開店前までには着かないだろう、そうするとタクシーかと、何だか心細げになってくる。



定時に上総湊駅へ到着。降りた客は数えるほど、だいたい君津あたりから、電車は人が疎らになってきた。駅は無人駅なのか駅員らしき人がいない。とりあえず改札を出て、駅の外へ。ロータリーにはなっているが、何もない空漠とした空間が目の前に。当然のごとくバス停風の場所はあるのだが、いつ来るのやらという状態を醸し出している。タクシーはと乗り場を探すと、右方向の奥に看板があるにはあるが…。ふらふらと駅構内外を所在なげに行ったり来たり。スマフォにタクシーコールのアプリがあったなと、ダウンロードするも使い方が分からずアウト。こうなりゃ歩くかと、空を見上げると、何やら雲行きが怪しい。傘など持ってない。どう考えても道のりに傘など売っている場所があるとも思えない。八方塞がりで、己の計画のなさに呆れ、いつものことよ、しゃーないなと、しばし瞑想(迷走)して、般若心経を心の中で誦唱したのであった。そして、唱え終えて顔を上げ、目を開けると、何とタクシー乗り場に停まっているのである、そうタクシーが。心経の功徳をまざまざと感じながら、勘違い爺がタクシーに歩み寄ったのであった。
車は上総湊の住宅地を抜け海岸へりを竹岡方面へ、途中、海辺に住宅やコッテージがあるほかは何もない道路を「梅乃屋」へひた走るのであった。因みに運転手さんに行き先を告げると、すぐ分かりましたとのこと、当然である。海を眺めながら10分ほどで、ここですと、道路沿いの疎らな住宅地に降ろされる。降りると空き地があり、その後ろの小さなトタン風な2階建ての家に10人ほどの列ができている。目的地に着いて安堵したとともに、土曜日の雨の朝に傘をさして、こんな所(失礼)にラーメンを食べに並んでいる人がいるこの世の滑稽さと奇妙さに、思わず苦笑いが顔に現れるのを感じたが、それが自分に返ってくるのをまざまざと感じ、すぐ最後列に並んだのであった。時計は9時45分を指していた(完璧な時間)。小雨が降りしきるなか、傘を買うのを忘れたことを今更ながら気づく。待つこと10分、店員さんらしき女性が出てくる。そして、最前列の人から注文を聞いている。並んでいる人は、ほとんどが地元風で、オジサンのような外者初心者はいないような雰囲気、スムーズに注文品の名が発せられていく。オジサンは少し戸惑ったが、まずは、ここはスタンダードのラーメンにするのが鉄則だと決め、それに前の人が頼んでいるヤクミなるものをまねて注文。開店を待ったのであった。



10時ちょい過ぎに開店、店のパイが分からないが、一巡目で入店できそうである。店内は、奥に6人掛け卓が一つ、手前に2人掛けの卓が二あり、左に小上がりの座敷。6人ほどが座れるだろうか、店内は小体である。厨房が店内の半分くらいを占め、女性店員が2人立ち働いている。女将さんだろうか、70歳は過ぎていると思うが、客相手と会計を担当している。店内には焼き豚の煮汁か、醤油の煮詰まった匂いがする。手前の2人掛けの卓に相席で通される。水とレンゲが運ばれる。壁や柱に貼ってあるメニューや注意書きに目をやりながら、土曜日は酒は出さないと書いてあるので、じっと我慢で着丼を待つ。相席の方のチャーシューメンにヤクミ追加が着丼。その量の多さとビジュアルに驚いき、思わず写真を撮らせていただく。因みにヤクミとはタマネギの微塵切りのこと。この焼き豚(チャーシュー)の厚さを見ただけで、オジサンは戦意喪失してしまったのである。これはノーマルにしておいて良かったと一安心したのであった。オジサンは何でもゴロッとして厚くて、大きいものは好みでないのである。寿司も小さく、ハムカツも、ステーキも薄いのが良い。酒飲みだからだよ、いや年齢のせいだからだよと言われたりするが、いや若い時からそうだった。とんかつもいくら肉の質が良いからと言って分厚いのは嫌いであった。口に入れてガバガバするのはイカンのである。だから、イモ類をあまり食さないのもそのせいかもしれない。そんなことはどうでもよいのだが、おじさんのラーメンもまもなく着丼。こちらビジュアルはなかなかである。特にタマネギがイイネなのである。オジサンネギ類は大好物で、丸亀製麺でもネギを死ぬほど入れて、顰蹙をかっている輩の一人である(スミマセン)。



さて、待ちに待ったラーメン、まずはレンゲにスープを入れて啜る。あれ、想像していた味とは違う。そして、メンを箸で手繰り口の中へ、アレレレレなのである。こうじゃないんじゃない、と勝手にイメージしていた味とあまりの違いに戸惑ってしまう。スープはきっと銚子あたりの、グンバツの醤油(関東の醤油はほんとうにいいのである)を使用し、麵は加水があまりたってない、油の香ばしい麵を、と思っていたのだが、真逆なのである。麵はただの乾麵というか、独特の水臭さを放ち、醤油は、これは焼き豚の臭みに負けてしまって、醤油のキレ立ちがしてないのである。大丈夫か「梅乃家」さんと叫びたくなったが、食べ終わった客が、「おいしかったよ」と言って帰っていくのであるから、おいしい人にはおいしいのだろうと首を傾げたが、これには、絶対化調が必要だと思う。粗雑すぎ、素人ぽいのである。このエグミが好きだという人は別だが、化調に慣れている人には無理な味なように思う。「これマズイよ」と子供の頃なら声を出していただろうが(おいしく食べている人もいるのだからと父親にドヤサレタ)、そこは、60歳過ぎた大人なのである、入らぬことは口にしない。ここでオジサン、商売妨害で、この店の悪口を言っているのではない(結果言っているのだが)。この投稿でも、自分が駄目だと思うものは極力掲載しないことにする方針なのだが、かといってマスメディアの食レポのように提灯(当たり前だが取材を依頼しているのだから、批判はできないだろう)だけではこのブログの意味がないので、あえて苦言を労させていただいた。また、竹岡式には、期待が大きかっただけに厳しい批評になっているのだろうとも思う。故に、これはオジサンの感想なので、それぞれの方は実際食べていただき、自分なりの評価をしていただければ幸いである。途中、匂いとエグミで、喉に通らなくなり、食が進まなくなってしまったのだが、女将さんと目が合うと、彼女も察したのか苦笑いを浮かべていた(こちらの思い過ごしか)。何とか腹に入れ、早く退散しようと会計へ。店は大繁盛で、外には行列が絶えない。オジサンだけ宇宙人になったような気持ちで店を出たのであった。



さて、店を出たのはよいのだが、この後、どう駅にたどりついたらよいのか、というよりか歩くしかないだろう。車で10分ということは徒歩で30分ほどか、しかし、これは一般の方、狭窄症のオジサンには1時間かな、と決心して、トボトボと、内房総の沿岸を歩いたのであった。晴れていれば、絶好のビューポイントだろうが、東京湾はどんよりとグレーに染まり、向かいの第2の故郷三浦海岸の横須賀もボンヤリと確かめられるだけ、そのうえ雨はどんどん強くなり、靴の中に水が入り、寒気もしてくるのであった。途中、「梅乃屋」のライバル「鈴屋」があり、ここも行列ができている。果たして味は如何にではあるが、さすがに食べられるはずがない。しかし、歩けど歩けど、上総湊の町に着かない。とその時、横にカブに乗った、いかにも地方の馬鹿顔のアンチャン(THE・内房総)が近づいてきて、「ジジイ、何フラフラ歩いているんだよと」と捨てセリフを吐いて、水をあぶせくさりあがって去ってゆく(まさに内暴走である)。道沿いには、懐かしい青木愛ちゃん(現立憲民主党参議院議員・元「トナイト」レポーター)の選挙ポスターがこちらを見て笑っている。オジサンはバイクの背に向かって「事故れ、事故れ」と真言を唱えたと同時に、愛ちゃんは、ここら辺で育ったのだな、と同時にYOSHIKI(xjpan)と同窓生(県立安房高校)だったのだなと、余計なことが頭に浮かぶ(変でしょう)。そしてYOSHIKIとアンチャンの顔がシンクロしてしまい、ハーっとため息をついてしまったのであった(分かるかな、この気持ち)。ヤレヤレとどっと体力を失い50分かけて上総湊の駅に戻ってくる。やっとひと安心、とそのつかの間、人身事故で電車が止まってしまったとのこと。ひょっとしてあのアンチャンが(そんなことがあるか)、と心の中で「ヤッター」と呟きながら溜飲を下げるオジサンだった。その後、愛ちゃんの立憲君主党は、2026年2月の衆議院選で大惨敗、2027年の参議院選に愛ちゃん落選してしまうことがあれば(多いにある)、何故か私の真言が、間違えて愛ちゃんに飛び火しまったことに、とオジサンは邪なことを考えて原稿を書いているのであった。真言パワー恐ろしである。
梅乃家(うめのや)ジャンル ラーメン
お問い合わせ
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住所
千葉県富津市竹岡410
交通手段
竹岡駅から1,948m
上総湊から1,400m
営業時間
月・木・金
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土・日・祝日
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定休日 火・水
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