この企画、まずは私の近場の関東一円から、東北、北海道へと旅を広げていこうと思っていたのだが、逆方向の出雲市出身の友人から、我が故郷にこんなものがあるよと紹介されたのが、この「ソフトスパゲッティ式めん」。早速ネットで調べてみると、この企画にドはまりなレイアウトイメージの袋が目の前に出現。早速注文してみた。
そば、うどん、ラーメンと袋麺は様々あるが、スパゲッティのそれは初めてである。私のような昭和の給食を食べていた者には、あのユルユルのソフトうどん麺を想像するが、果たしてどんなものなのだろうか。このソフト麺、島根県民で食べたことのない人はいないのではないかと言われるほどポピュラーな袋麺で、実際多くの県民が、朝食やお昼、またおやつなどで今も食べて続けている、かかせない日常食なのだそうだ。話は変わるが、私たちが食べていたあのソフト麺はどこへ行ってしまったのだろうか? 探せばどこかで見付かりそうだが、あれはそこまでして食べたいと思うほどのものではないし、ということは当然私たちのソウルフードにはなりえなかったのだなと思う(揚げパンもそうだな)。
到着した荷箱を開くと、何とも今風でない活字と色使いの袋(ひょっとするとぐるっと回って、これが現代風なのかも)に包まれたソフト麺が…。
昼食時だったので、早速食べてみることにする。皆さまに紹介する時は、何も入れないで食べてご報告したほうが良いのだが、血糖値を抑えるため、好きなピーマンと玉ネギ、それとハムを入れて食すことに、お許しを。麺だけかと思いきや、粉末のトマトルー(ルーなんて言葉もなくなりそうだな)も付いている。袋にはまずフライパンに油をひき、と書いているのだが、トマトルーの袋にはバターをひけ、というチグハグさがまたご愛敬(麺とトマトルー<味日本株式会社-広島市>の製造もとが違うのである)なのである。さて試食してみると、イイのである、見た目ナポリタンだが、よく食べる東京下町ナポリと違ってあっさりしている。麺もルーもよくマッチングしているのである。麺はユルユルかなと思いきや、モチモチしていてコシもあり、私らの懐かしのソフト麺とは段違い、比較をしてはいけません。そして、このルーがオツな味で、ケチャップのしつこさがなく、後を引きずりそうな味なのである(味変するにも良い頃合いの味で、私は半分食べてからウスターソースを少しかけたが)。これは癖になりそうな食べ物だと、多くの人が認めるのではないだろうか。しかし、なぜ、これがメジャーにならないで島根県だけしか広がらないのか? 様々な複合的な問題があるだろうが、いいのである広がらなくて、これがまさにソウルフードなのである。
こんなソフト麺を開発したのは有限会社米山萬商店。島根県出雲市に穀物店として昭和2(1927)年創業。昭和28(1953)年から麺類の製造を開始し、創業以来、厳選した原料と自家製粉にこだわり続けている麺製造会社だそうだ。
さて、もうなくなってしまったので、今度は島根県のアンテナショップへ仕入れに行こうかなと考えている。日本人はやっぱり<パスタ>でなく、<スパゲッティ>だな~。いや、私は<スパゲッチー>である(どうでもいいです)。
まだ、食べたことがない人はぜひ食べてみて下さい。あなたの食生活に新たな広がりをもたらせてくれること請け合いである(そこまで言う)。
有限会社米山萬商店
住所:島根県出雲市浜町209−3
電話:0853-21-0720
公式Webサイト:
https://izumo-yoneman.com/