No.110 神奈川県横浜市神奈川区東神奈川駅上りホーム「日栄軒」の立ち食いそば・うどんは変わらないことの良さを教えてくれる、横浜三大駅そばの一つである。

 東神奈川駅、マイナーな駅である。しかし、オジサンにとっては苦い青春(浪人時代)を過ごした懐かしい駅である。いつも車窓から駅を通り過ぎる時、あの頃ことを思い浮かべることはあったが、あれから一度もこの駅に降車することはなかった。いくら乗降客が少ない駅(隣が横浜駅)とは言え、街はかなり様変わりしていると思われる。まさか、このような取材で47年振りに、この駅に降り立つとは思はなかった。当時は、田舎の無人駅と見まがうほど(オーバーかな)人気(ひとけ)が少ない駅だった。こんな駅に何があるのか。実は、その当時は気づきもしなかったが、日本で二番目(一番は富山・高岡駅「今庄そば」大正4<1915>年創業)に古い駅そば店で、そして四大横浜立ち食い蕎麦屋<「鈴一」(横浜駅)-No.101で紹介「「相州そば」(関内)、「川村屋」(桜木町)>に堂々名を連ねている立ち食い駅そば店があるのである。その名も「日栄軒」。

 その当時は、ホームに立ち食いそば屋があるのさえ気づかなかったが、きっと食べていたのだろうが忘れてしまっていたのであろう。それではと過去の記憶を辿りながら、日栄軒の暖簾を潜ることにした。京浜東北線の下りホーム、横浜よりということで、その辺にめどを立てホームを降りると、それらしきものがすぐに見つかりました。こじんまりとした店で、店内5,6人のスペースのカウンターがあるばかり。時分時をさけたので、お客さんはオジサンの他に2人。老舗駅そばということの他、現在この店の名を高めているのが2005年から始めたという穴子天。丼からはみ出すほど、どーんと1本ままの大きさだという。それではとこの穴子天そばにタンパク質を摂るため生卵のチケットを購入し入店。小さな店内で待つこと1分、穴子天そばが目の前のカウンターに置かれる。こりゃBIGだのーと心で呟きながら、まずは穴子を少し横に移し、そばを手繰る。そばは立ち食いによくある6(そば粉):4(うどん粉)ぐらいの品。そして汁(ツユ)はカツオのだしに濃口醤油の関東スタンダード。それでは穴子天を箸で切り口に、う~ん身は薄い。まあ、当たり前だがこんなものである。この値段(650円-取材時)で、そんな凄い穴子が出たら、ひっくり返ってしまう。最後に生卵を溶かしマイルドにし美味しく頂かせていただきました。
 創業大正7年(1918)年、100年以上立ち食いそば、うどんの店を続けていることは、それだけでも勲章ものである。品川駅の常盤軒が駅の開発から、以前のパワーを失ってしまったが日栄軒さんには、これからも変わらずに踏ん張って営業を続けてもらいたいものである。因みにオジサンは「鈴一」(駅構内にはないが相鉄線南口の真ん前)「川村屋」(関内構内)、「日栄軒」を横浜三大駅そばと称したい(「相州屋」は駅そばではない)。さてと、47年振りの東神奈川の街は如何に変わったか、オジサンは探索を始めるために駅を後にしたのであった。  

日栄軒
ジャンル 立ち食いそば・うどん

住所
〒221-0044 神奈川県横浜市神奈川区東神奈川1丁目 東神奈川駅上りホーム
JR「東神奈川駅」改札内3・4番線(北行)ホーム階段下大船寄り

営業時間
月・火・水・木・金
07:00 – 22:00

07:30 – 21:30
祝日
07:00 – 21:30
定休日
日曜日