No.44 徳島県徳島市の「金ちゃんラーメン」、これぞ最強で摩訶不思議なソウルフル即席ラーメンなのである。

 ご当地ソウルフル即席ラーメンシリーズも第4弾を迎え、本日は、ご当地ラーメンの最強「金ちゃんラーメン」をご紹介したい。何が最強なのか、それは、よくぞこの味で長年販売続けられたものだという、感心とともに感動をふまえて最強だということである。また、ソウルフードとは何かを一番考えさせてくれる商品だからである。旨いマズいで括ってしまうと、ソウルフードとは普遍的な旨さではありえない。逆に普遍的な旨さであれば、それはソウルフードではないという結論に達したのである。
 この「金ちゃんラーメン」もそんな商品で、販売地区は徳島と関西地区だろうから、その地区では、即席ラーメンはこれでなくてはというファンがいるのだから、旨いと思う人がいるということである。ただ、この商品、例えば私が推奨する「サッポロ一番」を比較した場合99パーセント後者に軍配が上げると思う。それでは、徳島では「サッポロ一番」は販売してないのかと言えば、「金ちゃんラーメン」と同じく、それ以上にお店においてあるだろう。そこで東京で両者が置いてあれば、9対1ぐらいの割合で「サッポロ一番」を買っていくだろうと思われるが、徳島では7対3ぐらいの割合になるということである。回りくどいが、その3がソウルフルな<少数者魂>なのである。
 何だか、訳の分からない屁理屈を述べてしまったので、ここから本題へ入ります。
 例えば、「金ちゃんラーメン」の公式ホームページにこんな文言が掲載されている「粘りとコシがしっかりとした食べごたえのある太麺です。あっさりとした飽きの来ない醤油味で、何度も食べたくなる味に仕上げております。」(ここまで原稿を書いて、私の舌がどうにかしているのかと、もう一度作って食べてみる)。
 はじめてこのラーメンを口にしたのが半月ほど前である。あれ、前より旨くなっているのである。私の作り方が不味かったのか、それとも体調か、空腹度が違うのか不思議である。追い打ちをかけてボロクソ貶してやろうと思ったのが出来なくなってしまった。「粘りとコシがあり食べこたえのある太麺」は嘘だが、「あっさりとした飽きの来ない醤油味」これは満更でもないのである。故に結論はこれ「有り」ですね。ただ、今後食べるかというと、食べなくてよいような…。徳島の方御免なさいね。
 「金ちゃんラーメン」は徳島製粉から昭和42年(1967年)の2月から販売され。それまで自社ブランドの小麦粉が「金鶴(きんつる)」という商品名だったので、最初の商品は「キンツルラーメン」という名前で売り出される。1966年同じ名前の商品がすでに存在していたため、徳島名物の鳴門の渦潮を商品名に盛り込んで「ナルトナミキンツルラーメン」と変更。TVコマーシャルを制作するために、短い時間で伝わる商品名を認知させようと、そこで「金鶴」の“金”を取って、親しみを込めた“ちゃん”をつけ、「金ちゃんラーメン」という商品名が生れ、1967年からは「金ちゃんラーメン」として販売。因みにパッケージの男性が「金ちゃん」だそうだ。商品名は変われど販売されて54年のロングラン商品なのである。「サッポロ一番醤油味」が昭和41年(1966年)発売なので、その歴史も拮抗しているのである。ご当地即席ラーメンでは、No.38「うまかっちゃん」の次に知名度を誇るのも肯けるわけである。「金ちゃん」が家庭に居なくなるとと不安になる方もいる、と聞いたがさもありなんなのである(それはオジサンには理解できないが、こいつは若い頃の大宮デン助※1か)。
 1971年には「金ちゃんヌードル」というカップ麺も発売されて、関東の人にはこの「ヌードル」の方に親しみがあるのではないだろうか。「ヌードル」も食べたが、こちらは日清のスタンダードな「カップヌードル」を少しチープな味にしたようなものとお伝えしておく。しかし、こちらも、一度しか食べてないので何とも言えないが…。今回、食べ物は一度食べただけで、モノ申してはいけないのだと反省したのである。皆さんも気を付けてくださいね。

※1大宮 敏充(デン助)
(おおみや としみつ、1913年4月13日 – 1976年12月23日)は昭和時代に浅草を中心に活躍したコメディアンである。大宮デン助はあるいは単にデン助という愛称で広く知られている人物。彼が演じるキャラクター「デン助」は戦後浅草喜劇界やテレビで一世を風靡した。脚本を執筆する際の、ペンネームは言問 三平。土曜のお昼に「デン助劇場」という舞台が放映されて、お茶の間の人気になる。

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徳島製粉㈱ 徳島本社
住所:徳島県徳島市南二軒屋町3丁目1−8
電話:088-622-9186
公式ホームページ
https://www.kinchan.co.jp/

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