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　「かんずり」（No.９）が新潟県妙高市に一家に一瓶なら、こちらも山形県米沢市の一家に一本の「うまいたれ」である。それでは「うまいたれ」とは何なのか。それは創業140年の老舗醤油・味噌醸造会社「平山孫兵衛商店」が昭和48（1973）年に生み出した天つゆ、煮物、めんつゆ、何でもごじゃれの万能調味料のことで、「だし醤油」といえばイメージしやすいのではないか。関東の醤油会社の「つゆの素」と似ているが、それよりも、還元水あめを入れもう少し甘くしているものと思っていただければと思う。ただ、「たまり醤油」の甘さまではいかないので、醤油の味に厳しい関東人にも嫌われないだろう。私もこの何か月、目玉焼きや、卵かけごはんにかけたりしている。その他各種調味料に使っているが、煮物などにはピッタリのように思う。一般の醤油より4.5パーセント程塩分控えめで、身体に優しく、年寄の調味料好きには便利で重宝しているのは確かである。
　ただ、そば、うどんつゆの使用には、やはり関東の「つゆの素」（特に、にんべん）に比べると＜キレ＞がないように感じる。
　米沢市民のように、小さい頃から親しんで使用していると、それこそ「スタミナ源たれ」（No.６）ではないが「これじゃなくちゃ」と親離れ、子離れではないが、口離れできなくなるのではないか。昔、韓国人の女性タレントが、日本の「つゆの素」はどんな料理でも少し加えると、料理が引き締まり魔法のようだと絶賛していたが、この「うまいたれ」も同じく、ソースオブマジックと言ってもいいのではないか。
　１リットル1本864円（税込み）からあるので、まずはお試しあれ、食卓にあれば手放せなくなること請け合いである。