No.22 東京都千代田区外神田の「牛丼専門サンボ」の牛丼のアレレレ

 言わずと知れた日本一変な街「秋葉原(通称アキバ)」のアキバ族(こんな言い方はしないが、アキバ系オタク族を私は普段そう呼んでいる。しかし、太陽族やみゆき族はすぐ消えたが、アキバ族はシブトイな―。)のソウルフードと言われているのが「サンボ」の牛丼らしい。そもそもこのアキバ族は食費に余りお金をかけない、そんなものにお金をかけるならゲーム、アニメやネット系商品につぎ込んだほうがマシだと。コミュニケーションのための潤滑油・酒などはもってのほか、それよりも下戸が多い、と言うか下戸だから、ゲームやアニメ等に夢中なれるのか。そして、彼等が好きな食べ物は、ラーメン、カレー、牛丼が三強で、案の定手軽に早く食べられるものばかり、それ故、街中はそれ系のチェーン店が犇めき合っている。

牛丼専門 サンボ


 その中でも、「サンボ」の牛丼はチェーン店系でなく、インディーズ系(独立系)と称されるもので何とここしかない。「何故かアキバを訪れると食べたくなる」「アキバを歩いていて、この店を見るとホットする」「潰れずズ~っと続けて欲しい」とアキバ族には絶大なる人気を誇り、今やアキバ族のソウルフードと言われていると聞いた。60歳になったオジサンには、この街と渋谷はちょっとキツイ。よっぽど必要になった電化製品が欲しい時以外は近寄らないことにしている。
 しかし、牛丼は今や日本国民のソウルフードで、オジサンも若い時から大変お世話になっている(最近は身体的に丼ものを控えなければいけないので、食べる時は、その後必ず筋トレで汗を流すことにしる)。それならばアキバ族のお勧めする「牛丼」がどんなものかを一度食さなければと亀歩きで「サンボ」に向かった。場所は秋葉原駅の電気街口を出て、中央通りを渡って上野方面へ、二つ目の路地を左へそして一つ目の路地を右に歩いて30秒で、黄色い看板で「サンボ」と書いた場末のラーメン屋と見まがうような店に出る。オジサン昔この四囲(あたり)で中古パソコンを買ったような記憶が甦る(このパソコン5年でほんとう炎上してしまったが、減価は償却した)。
 時分時を避けて15時に入店。何とお客は私一人。チケット制で、品は牛丼(並、大)とお皿と牛皿(豆腐としらたき入り)とご飯(並、大)、みそ汁、玉子、しかない。オジサンここまでは感動した。昔の牛丼一筋時代の吉野家がいかによかったか(定食屋になってしまってお前は堕落した)。牛丼(並)のセット(みそ汁、玉子付)をチョイス。奥のテーブルに座り、おねえさんにチケットを渡す。20年ぐらいリホームをしていないのではという店内。椅子のカバーが破れているのをテープで修正、それまではご愛敬だろう、何せ独立系なのだもの、牛丼が旨ければよいのである。すぐに注文の品が目の前に、まず驚いたのは大盛かなと見紛うほどの量。見た目チェーン店系より肉が厚いような。着色料の少ないショウガを丼ぶりの上に、七味を大量にかけ、さあ試食と肉を口に入れたとたん、「臭い」のである。明らかに良い意味での肉肉しい肉の臭みではない。質の悪い冷凍肉を解凍し、そのまま何もほどこさないで汁にぶち込んでいるような味(よくあるホルモンを掃除しないで入れている煮込みの臭さと同じ)。格安牛丼で一番研究しなければならなかったのが、質の悪い肉の臭みを如何に抜くかではなかったのかと、まず余りの進化のなさに驚いてしまうのである。またタレが凄い、きっと、醤油と味醂(入ってないのでは)だけなのかもしれない(甘味も深味もない)。そして白米、言わずもがなであり、みそ汁は松屋に匹敵する<屁(へ)>のような味。戦後闇市で食された牛丼(闇市で牛丼なんてあったのかな)とはこんなものだったのでは、例えば高度成長前のニッポンの味といえばよいのかもしれない(わかるかな)。さすがに、最後は玉子に醤油を入れてゴマカシして流し込んだ。因みに側(そば)に青果市場が健在だった当時(1986年閉鎖)からあったそうだが、まさか、市場の労働者向けに食べさせていたわけではないと思う。市場関係者は舌が肥えているはずで、この味では無理であろう。
 お店には悪いが正直に言わせてもらいます(そういう客を相手にしてないだろうから問題ないと思う)。60歳を過ぎた人間が食べる物ではない。はち切れる肉体の若さと、少し味音痴な若いアキバ族が食べるもので、様々なものを食べてきた経験ある大人が口にするのはどうかと思う。日頃チェーン店の悪口ばかり言っているオジサンだが、今回ばかりはチェーン店に軍配を上げたい。しかし、彼らにとってはソウルフードになりえる食べ物なのである。ソウルフードはウマいとマズいとかを越えた地点にあることが今回の取材でマザマザと納得させられたのである。食べ終わると同時に、いかにもアキバ系の若者がチケットを買って入ってきた。注文は牛丼の大盛。どえりゃものを見てしまったと店を出るオジサンなのでした。

牛丼専門サンボ
住所:東京都千代田区外神田3-14-4 国際ビル1F
交通手段:JR総武線・山手線・京浜東北線「秋葉原駅」電気街口より徒歩3分
東京メトロ 銀座線「末広町駅」1出口より徒歩3分
首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス「秋葉原駅」A2出口より徒歩5分
東京メトロ 日比谷線「秋葉原駅」2出口より徒歩5分
都営地下鉄 新宿線「岩本町駅」A3出口より徒歩10分
末広町駅から192m
営業時間:[月~金] 11:30~19:00
[土・日・祝] 11:30~17:00
定休日:不定休
電話:03-3251-4552
公式Twitter
https://twitter.com/ra5uzhfotxbpaxo

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