No.16 北海道の「ビタミンカステーラ」

 道民には、懐かしの昭和の菓子と思いきや、現在形らしく、今でも日常的に食べられ、強い人気を誇る菓子が「ビタミンカステーラ」である。道民に関係者がいない日本人で食べたことがあると言う人はいかほどいるだろうか。まさに地域限定のスイーツ?いやお菓子である。
 このお菓子は1917年(大正6年)、長崎でカステラ作りを学んだ高橋樫夫が旭川で高橋製菓を創業して開発したものである。大正時代、北海道の子供たちは、特に栄養不足になりがちだったため、栄養価が高い菓子をという気持ちをこめて「棒カステラ」(当初の商品名)を製造したのが始まりである。戦後の昭和25年頃、この「棒カステラ」にビタミンB1、B2を添加するとともに「ビタミンカステーラ」という商品名に変更されたという(この商品名、当時はハイカラだったんだろうな)。
 道内では、子供だけでなく、農家の日雇い労働者の間食として人気になり、農繁期には1日6万個を生産する程のヒット商品になったらしい。
 因みに、私の連れは釧路出身だが、やはり、このお菓子を食べて育ち、北海道のお菓子といえば、このお菓子と「白い恋人」だと言っている。
 私も最近食べたが、昭和の懐かしい、良い意味での貧乏臭い旨さで非常に美味しかった。高級カステラ?のような粘りがなく、口に入れるとパサパサ感があり、牛乳やコーヒー、紅茶などと食べることをお勧めする。現在の贅沢なスイーツ(嫌な言葉である)が豊富にある世の中では、逆に偶に食べると代り映えしてよいかもしれない。私は駄菓子屋や縁日で買うカステラボールの安っぽい味に似ているなと感じたが、やはり、材料費を抑えるために、卵・砂糖の量を減らしており、小麦粉が多く使われているそうだ。通りでと、納得したしだいである。
 昭和のノスタルジックな味が、まだまだ健在で、多くの道民に未だに愛され続けていることに少し安心し、この甘味の少なさが逆に、今風なのではと思いながら、糖尿病のオジサンは二つも食べてしまった。血糖値はいかほど上昇したことやら。

高橋製菓株式会社
住所:北海道旭川市4条通13丁目左1
営業時間:9時~17時
定休日:土・日曜日
電話:0166-23-4950

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