No.32 山梨県大月市の幻の「おつけだんご」(食べさせてくんなまし)

 オジサンは山梨県大月市のソウルフードと言われる「おつけだんご」(味噌仕立てのすいとん)を紹介するため中央線で高尾、そして大月線で大月まで片道2時間30分の旅に出たのであった。スムーズに11時30分に大月駅に到着。早速「おつけだんご」を食べようと駅前の「古民家麺処かつら」の前に立ちメニューを眺めると、現在「おつけだんご」は休止中との貼り紙を見てがっかりと肩を落す。気を取り直して駅前の観光協会に行くと、老舗の居酒屋「濱野屋いろり亭」で食べられそうだという情報を得る。しかし、開店は16時から、そこまで待てない。そして駅前ロータリーで途方に暮れるオジサンがいたのであった。
 全てはちゃんとした事前情報を得ることなく取材に行った私が悪いのですが、そんなことネット情報にはどこにも出てなかったぞと腹を立てながらも、「電話で問い合わせるべきだろ」とサラリーマン時代の上司の問答無用の叱責の声が甦る。他に食べらそうもないので、こんなに食べるのが困難なソウルフードはソウルフードでないと身勝手な理由をつけ腹が減ったので「古民家麺処かつら」へ入ったのであった。

 店内は時分時で、多くのお客さんがいたが小あがりの座敷席に腰を下ろせた。店名通り田舎の古民家風で落ち着いた佇まい。すぐに本当は一番の目的の生ビールをまず注文(山梨は飲めるのです)。もう一度メニューを眺めると、やはり「おつけだんご」はなさそうである。そこで、この店の名物の「大月餃子」と「田舎うどん」を注文、と同時に「おつけだんご」があるかないかを確認。若い女性店員は親切に可愛い声で「スイマセン、今お出しできないです」と応答してくれる。ビールに百円突き出しの枝豆で旅の疲れを癒し、3か月ぶりの外飲みに感動しながら喉を潤す。名物「大月餃子」は中に餅が入っているらしく、まずは一緒に運ばれた自家製柚子酢?をつけ口に運ぶ。まあ、偶に食べる分には結構な一品。遅れて「田舎うどん」が到着。けんちん風の細うどんで可もなく不可もない地方観光地で良く出会う味。店内を見渡すと壁に多くの芸能人の色紙が、当然大月の名誉市民?小遊三師匠の色紙もある。おっと大月のライバル秩父のたい平師匠と店主夫婦が一緒に写っている写真も飾ってあった。この店、大月の代表的な店感を醸し出しているが、年季も相当なものなのではないかと想像できる。これで「おつけだんご」さえ食べられれば申し分なかったのだが残念でならない。こうなったら飲んでやれと、レモンサワーも追加で注文したのであった。
 「おつけだんご」とは、まさに「すいとん」のことで、この地方汁は味噌でも醤油、塩味でも何でもごじゃれで食べるらしく、特に味噌味で食べることが多く現在でも日常に味噌汁代りに「おつけだんご」が食べているそうだ(スミマセン、ほんとうかどうかの確証はありません)。
 私も最近余り食べなくなったが、良く母親が作ってくれたものである。戦中の人は、「すいとん」は余りイメージが良くないだろうが、私が食べた「すいとん」はその頃のものとはダンチに違うだろうし、雑煮餅がすいとん(小麦粉を練ったもの)に変わっただけのもので、ゴボウ、ニンジン、鳥肉、ネギ等具材も豊富で美味しいものでであった。
 お腹も満足し、ほろ酔いで外に出ると、「おつけだんご」がなぜ今食べられないのかを聞くのを忘れてしまったのに気づき、店に戻って聞くのも恥ずかしいなと我ながらいつもの詰めの甘さに愕然として駅に向かったのであった。ただ私が想像するだに野菜の値段の高騰でコストに合わずに控えているのではないかと思うのだが、如何に。でも、大月の空気は東京とは違い大変澄んでいました。あー幻の「おつけだんご」さえ食べられれば…。

古民家麺処かつら
住所:山梨県大月市大月1丁目2−7
電話:0554-22-1080
営業時間:
月・火・水・金 / 11:30~15:00 17:00~21:00
土・日 / 11:30~21:00 
定休日:木曜日

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