No.56 高知県のまじめなおかし「ミレービスケット」を食べながらふまじめな自分を痛感した話。

 高知県と言えば、龍馬とカツオとよさこい祭りと相場は決まっているが、本日紹介する「ミレー」も高知と言えば外せないのである。「ミレー」って何?という読者もいるだろう、特に関東の若い人はその存在を知らない人が多いだろうが、ザ・ビスケットと表現しても良い、スタンダードなビスケットに少し塩味を効かせた一品で、オジサンたちの世代の幼少の頃は、このようなビスケットしかなかったような気がする。故に非常に懐かしい味と言ってもよいものなのである。特にこの「ミレー」は、その頃、東京でも簡単に手に入り、良く口にしていたような気がする。このお菓子が高知のお菓子だということも最近知った次第である。しかし、最近関東ではほとんど目にすることがなくなってしまい、私もその存在すら意識することはなかったのだが、地方物産展でたまたま目にし、懐かしくなって手に入れたのだった。自宅に帰って、袋を開け、ひとつ口に入れる。奇をてらうことなく、塩加減と香ばしさがバランスよく配合され非常に結構なビスケットなのである。大手で言えばビスコ(グリコ)、リッツのクラッカーのような安定感に近い、独特の渋味を出しているお菓子と表現してみたが、そんなに間違ってはいないように感じるが、如何であろうか。
 大正12(1923)年創業の豆類の加工販売店を行う野村商店が、昭和30(1955)年ごろからこの「ミレービスケット」販売。このミレーは、もともと明治製菓が作っており、その後、名古屋の三ツ矢製菓が生地生産を引き継ぎ、その生地がミレー製造会社に届けられ、ミレービスケットに加工されているそうだ。実はミレーを販売しているのは野村だけでなく、愛知にも数社あり、そのなかでも野村のミレーは豆を揚げた油をブレンドして揚げているので豆の旨味が油に溶け、それで一味違うということである。
 現在では、キャラメル、コーヒー、レモン、わさび味などバリエーションに富んだ商品も増え、パッケージも様々に工夫したものも現れ、高知では、ソウルフードと謳われるほどの人気菓子に成長している。また現在では7割が県外で販売され、16億の売り上げをあげるほどの商品になっているそうだ。元祖のスタンダードミレービスケットのパッケージにはまじめなお菓子と表示されているのだが、まじめなおかしがあるのならば、ふまじめなおかしがあるわけで、ふまじめなおかしとはどういうおかしなのか?逆に考え込んでしまうが、会社に問い合わせれば答えてくれるのであろうか。この会社のスローガンが「まじめに考え、まじまに売り、まじめに取り組む」らしいのだが、とにかくまじめに、コツコツと売り上げを伸ばしてきたという自負が、このまじめなおかしというキャッチコピーに表れているような気がする。オジサンもまじめにコツコツと生きてくれば、「ミレービスケット」のような息の長い何かを残すことができたかもなー、と後悔先に立たず、血糖値上昇のことも考えず何個も「ミレービスケット」を口に頬張るのであった。しかし、旨いよ、このビスケット。

有限会社 野村煎豆加工店
住所:高知県高知市大津乙1910-3
電話:088-866-2261
FAX:088-866-2264
創業:大正12年8月8日
設立:昭和27年6月20日
事業内容:豆類の加工、販売。菓子類の製造、販売。一般菓子の販売
公式HP

https://nomura-net.co.jp/

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